インフェルノ ダンブラウン(ネタばれあり)

今のコロナ時期に読むからこそ、身震いさせられるものがありました。
この小説は2013年11月に刊行されたそうで、今現在2020年5月なので6年半前になります。
知人からのレビューを見て読むきっかけとなったのですが、インフェルノの名前は知っていたものの、
内容までは知らず、ダンブラウンのダヴィンチコードにハマった記憶から、ダンブラウンの本は面白いという基礎知識ほどしかありませんでした。
知人のレビューによると、ウイルスの危機に主人公のロバート・ラングドンが謎を解いていくという内容でした。

ダンブラウンのダヴィンチコードでも宗教的目線、建造物や、象徴、シンボル、謎解き、真実とは何かを考えさせられるもので、
一気に世界観に引き込まれます。

今回のインフェルノはまさに世界的パンデミック、ウイルスによる危機が、イタリアを舞台に行われます。
今のCOVID-19を思わせる内容。
ネタばれ内容で恐縮ですが、特に興味深かったのは、作中で異常者として
ウイルスを作り上げてしまった天才的生化学者のベルトラン・ゾブリスト。

彼の純粋的、決定的、変えようのない現実を直線状で受け入れて実行に移す天才的思考
反論の余地がないようにも感じた。

誰もが否認することを真っ向から受け止め、形作る作業はいかにも孤独であっただろう。

彼を支えたのは絶対的確信。こうせざるを得ないという究極の選択。

トランスヒューマニズムの存在は私自身知っていた。
都市伝説系の本も多く読んだり、現実、それが都市伝説でなくなっていることも、めまぐるしい
科学の進歩や環境の変化、ニュース、最近のビジネス書を見ててもシンギュラリティが起こることは予想できる。

宇宙進出、遺伝子操作、ワンワールド計画、SDGs、ムーンショット計画、バーチャルリアリティ、チップ埋め込み、キャッシュレス社会

など一般人でもわかる変化が2020年の今行われている。

でも、それらの持つ意味に関しては嫌悪感もあった。
監視社会になって、自由がなくなり、貧富の差が広がる事。一握りの人だけが富や権力を持つこと

我々人類を減らすなんて、非人道的行為だ。

弱者は弱者として生きるしかないのか。

そう思ってた部分が、本書によって納得させられた部分もある。

この本を読んだあとも、私は生き続けることを選択するが、

地球や環境にとって人間が癌なのだと。思い知らされた。

この地球に生きることに意味はあるのか?
それを人は否認しながら生きる。
たいてい答えが出ないからだ。

そして人間は完璧でない。

だから現実を直視せず、ただなんとなく子供を産み生きることを選び、その中で幸せを見つけていくしかない。
生まれてしまったことには生きるしかしょうがないからだ。

生きる目的をもって、地球のために何かを考えてる人間は私も含めほとんど少ないと思う。
そして、何をしたって、生きてることを帳消しにするほど地球に恩返しできてることは少ないと考える。

自我、欲求、子孫繁栄は動物的本能だが、それを間引く存在はいるのか?

いない。


それでも害を散らしながら生きる。私たち全員が。

せめてそれを認識させられた。

地球は病を患っている。それを見過ごせない

作中のベルトラン・ゾブリストのようにはいかないが、もし実社会でそのようなウイルスがまかれた場合、

そのままにしておくべきだろう。

私たちはどう生きるか。

今に感謝し、この宇宙、地球に存在する大自然と友達になる努力をするしかない。
東洋医学を学んだ私としての考えは
身土不二、陰と陽の考え方、陰陽五行論、それらをベースに人間も地球の一部として何ができるか考えるべきだ。
何かを与え、何かに間引かれる、それが自然の摂理であり、人間だけが特別だという考えはなくす。

法律や人権問題もあるが、自然の摂理にならうなら、地球のシステムの一部となり、自らの働きを地球に還元すべきだ、という考えが
今のところの答えとしたい。

自分の役割をすべての人が持つべきだ。
大小ではなく、目的もなく生きて害だけを散らすのは地球にとって負担がある。

望まない妊娠は避けるべきだ。

今後、トランスヒューマニスト等が世界のリーダーとなる日がくれば、受け入れるべきなのかな。と
今のところは思ってしまった。

それが理想郷なのかは私には分からないが、指導者は道を作るべきだとも思う。

そうなったとしても、自然への感謝は忘れたくない。森羅万象とともに、宇宙の摂理と同じく時を過ごしたい。
それが私の理想だ。
宇宙の中の地球という星の中で生まれた自分は、自然の摂理に逆らわず、受け入れて進化し、
動物や、虫、大地や木々のリズム、それらと共存しながら時を過ごしたい。

 

 

インフェルノ(上) (角川文庫)

インフェルノ(上) (角川文庫)